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No.1208 国連で勝手に「被差別先住民族」とされた沖縄の人々


 国連は勝手に、沖縄の人々を日本人でない「先住民族」とし、中国は「日本から独立したがっている」と主張している。

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■1.知らないうちに国連で「先住民族」とされた沖縄県民

 2018年8月30日、国連の人種差別撤廃委員会で次のような勧告がなされました。

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 本委員会は、今までの勧告、およびその他の人権機構の勧告にもかかわらず、琉球/沖縄の人々が先住民族として認められていないことに懸念を表明する。・・・
 本委員会は締結国(日本)が琉球を先住民族として認定するよう、その立場を再考し、彼らの権利を守るための手段をとることを勧告する。[CERD、拙訳]
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 先住民とは、たとえばアメリカのインディアンや、オーストラリアのアボリジニを指します。2007年に国連総会で採択された「先住民族の権利に関する国際連合宣言」では、先住民は「土地や領域、資源の回復と補償を受ける権利」を持つと規定されました。

 すなわち、北米大陸やオーストラリア大陸は、これら先住民が土地や資源の権利を持っており、それを取り戻すか、その補償を受ける権利を持つ、というのです。天文学的な補償額になるわけで、アメリカやオーストラリアが反対したのも当然でしょう。この決議には国際法上の法的拘束力はありませんが、反対した国々は、不利な立場に立たされます。

 コロンブスが到着する前の北米大陸には1000万人規模のインディアンが暮らしていましたが、白人の持ち込んだ伝染病や虐殺によって、400年後には25万人に激減しています。イギリス人の入植時には数十万人いたアボリジニも、10分の1以下になっています。

 先住民族の権利をどう考えるかは別にして、彼らが白人入植者が来る前からその土地にいた先住民族であることは、文句のつけようのない史実です。しかし、沖縄の人々もインディアンやアボリジニと同様の「先住民族」なのでしょうか?

 驚くべきは、われわれ日本国民も、当の沖縄県民も知らないうちに、4回も沖縄の人々を先住民族として認めるべきだ、という勧告が出されていることです。誰が何のために、こんな工作をしているのでしょうか?


■2.沖縄では琉球独立運動が本格化している」!?

 日本沖縄政策研究フォーラム理事長の仲村覚氏は、著書『沖縄はいつから日本なのか 学校が教えない日本の中の沖縄史』のなかで、沖縄を国連の場で先住民族と認めさせようという動きと、中国の「琉球独立プロパガンダ」が連動している、と指摘しています。

 同書によると、中国の唐淳風なる「商務部研究員日本問題専門家」がテレビやネットで、「沖縄では琉球独立運動が本格化している」というプロパガンダをさかんに発信しています。中国共産党系のサイト『環球網』では、唐淳風の代表的な番組「日本の真相~琉球独立の背景~」という番組をこう紹介しています。

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 このたび、商務部日本問題専門家・唐淳風先生が、中国は琉球独立運動を支持するべきという視点で環球網のインタビューに答えた。彼は、琉球独立闘争は琉球だけの問題ではなく、圧迫された民族をいかに解放するかという全世界の問題であると指摘。琉球は私たちの血肉を分けた同胞であり、琉球の独立闘争の主な目的は中国の戦略的安全保障にある。[仲村、2018]
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「被差別先住民族」論と、「琉球独立」論はつながっています。「沖縄の人々は日本人ではない」から「独立すべき」。さらに、「彼らは中国人と血肉を分けた同胞」だから、「琉球は中国に属すべき」となるのです。「独立」とは目先のスローガンに過ぎず、その先の沖縄奪取が中国の最終的な狙いなのです。

 その最終目標が「中華民族」論です。最近の中国は、ウイグルやチベット、モンゴルなど、完全な異民族を含めて「中華民族」などという主張を始めています。こんな言い方が通るのであれば、インディアン、黒人、メキシカン、アジア系もひっくるめて、「アメリカ民族」と主張することができます。

 その魂胆は、「琉球の独立闘争の主な目的は中国の戦略的安全保障にある」という一文に、馬脚を現しています。沖縄の米軍基地が、中国の覇権拡張のなによりの邪魔だからです。

 上述の「国際連合宣言」では、先住民族の土地では公共の利益によって正当化されるか、先住民族の合意がない場合は、「軍事活動は行わない」という条項もあります。沖縄が先住民族とされたら、日本政府がなんと言おうと、先住民族として「No」と言える権利を持つわけです。これは米軍を追い出すための、一つの武器になります。

 沖縄の人々は戦後、長らく米軍統治下にあり、日本国から引き離されるという悲劇を経験しました。今度は中国の支配下に置かれるという、さらに過酷な悲劇から、沖縄の人々を護らなければなりません。それは日本国民全体の責務なのです。

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■3.DNA分析で実証された沖縄、本土、アイヌの血縁関係

 そのためにも国連での「先住民族」論と中国の「琉球独立」論の正当性を、事実と論理の両面から考察する必要があります。

 まず、事実として「血肉を分けているのか」どうかは、近年進んだDNAの分析からすでに明確な結論が出ています。分子人類学者の篠田謙一博士は、2019年刊の『新版 日本人になった祖先たち―DNAが解明する多元的構造』で、こう述べています。

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 ミトコンドリアDNAのハプログループでは、沖縄には日本の古い系統であるM7aが高率で残っていました。他の地域に比べて沖縄に高頻度で見られるハプログループは、古代から続くものである可能性があります。
このことや、限定的ながらアイヌの人たちに高率で見られること、近隣集団には見られないこと、縄文人からも検出されていることなどを考え合わせると、Y染色体のハプログループD1bが古代日本の主要なハプログループであったことは間違いないでしょう。[篠田、1679]
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 縄文人の遺伝子が本土やアイヌ、沖縄に継承されているということは、互いに「血肉を分けた」関係である事を意味しています。特に沖縄で古い系統が高率で残っているということは、沖縄の方が共通のご先祖様により近い「本家筋」ということです。

「近隣集団には見られないこと」という点にも留意しましょう。沖縄と地理的にも近い「台湾の先住民集団との遺伝的な近縁性が認められないことが判明しました」[篠田、1710]とも記されています。漢民族どころか、台湾の先住民とも近くはないのです。


■4.「沖縄語は日本語の中の大方言である」

 人種が同じでも民族が違うことはよくあります。フランス人とスペイン人などはその例でしょう。その場合、言語が民族を分ける主要な特性になります。前述のように、沖縄の人々と漢民族は人種からして違うので、民族が違うのは言わずもがなですが、「中華民族」などという暴論を否定するためにも、言語の違いについても見ておきましょう。

「日本の言語学界では、沖縄語は日本語の中の大方言である、というのが定説である」とは、『岩波講座 日本語11 方言』での指摘です[岩波、p188]。まず、基本語彙が見事に対応しており、音韻の変化にも規則性があります。以下の例から日本語の[e]が、沖縄語の[i]に対応していることが見てとれます。

手(te)→ti:、毛(Ke)→Ki:、雨(ame)→ami、風(kaze)→kaji、船(fune)→funi、酒(sake)→saki

「いらっしゃい」を沖縄語で「メンソーレー」などと言われると、まったく外国語のように聞こえますが、これは「参り召しおわれ」が、「マイリメソーレ」→「マイリミソーレー」→「メンソーレー」と変化したものと説明されています。[外間、1346]

 沖縄方言は12世紀、鎌倉時代初期頃から独自の発展を遂げたもので、「それまでは日本語と沖縄語はほとんど同一かそれに近い姿をもっていたであろう」[岩波、p197]とされています。「参り召しおわれ」などという平安時代的な典雅な表現が残っている事から考えると、沖縄方言の方が元々の共通の姿に近いと推察できます。

 これに対して、沖縄語は中国語とは全く別の言語です。

 中国語・・・弟弟 念 書
 沖縄語・・・ウットー(弟は) スムチ(書物を) ユムン(読む)

 と、語順からして全く違います。沖縄語と日本語では語順はまったく同じで、語彙もそっくりです。ここから、以下のような断定がなされています。

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沖縄語は中国語かも…と漠然と考えたり、多少の知識をもっても、中国語と日本語の混交語では…という錯覚をつくりあげている人が、意外に多い。しかし、これはあまり問題にならない考え方である。[岩波、p184]
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 以上、遺伝子でも言語でも、本土の日本人と沖縄の人々こそ、「血肉を分けた同胞」であることが学問的に立証されています。


■5.琉球の中国への朝貢とは、薩摩藩による管理貿易だった

 もう一つ、中国が沖縄を「中華民族の一員」として主張する根拠が、琉球が中国に朝貢を行い、冊封を受けていたことです。1372年に琉球の中山王・察度(さっと)が明に朝貢を始めています。また1404年には察度の子、武寧のときに初めて中国の冊封を受け、それは1866年、最後の国王尚泰まで続いています。

 こうした事実から、琉球は中国の服属国であり、だから歴史的にも「中華民族の一員」だと言うのです。この主張は、論理と史実の両面から容易に論破できます。

 まず論理として、朝貢や冊封の歴史が現在の国家主権を主張する根拠にはなりえません。過去の朝貢や冊封があった国は中国の一部だという理屈がなりたつなら、北朝鮮・韓国もベトナムも、みな同様に、中国の一部になってしまいます。中国が歴史的に沖縄を実効支配していた、という事実がなければなりません。

 沖縄が明確に日本の実効支配に入ったのは、1609年の薩摩による琉球遠征からです。この年、薩摩藩は琉球の貿易を独占するために「掟十五条」に従うことを求めました。

 そこには、「一.中国よりのいかなる物資、物品といえども、まず薩摩藩主の許可なしに輸入してはならない」「八.全ての税及び関税の類は本土の権威ある者の定める規定、規約に則ってのみ課することができる」などの取り決めがあります。すなわち琉球から中国への「朝貢」とは形だけで、実質は薩摩藩による管理貿易だったのです。

 実際に、中国は琉球内に統治のための出先機関は持っていませんでしたが、薩摩藩は常駐の在番奉行所を置き、この「掟十五条」に従って、実効支配をしていました。

 薩摩藩の琉球遠征は、学校では「琉球侵攻」と教えられています。あたかも別民族である琉球を侵略したかのような表現です。薩摩を治める島津家は1600年の関ヶ原の戦いで西軍につきましたが、徳川家康から薩摩の所領を認められました。これを「徳川幕府による薩摩支配」などとはいいません。あくまで徳川による天下統一の一ステップであるからです。

 その薩摩藩が1609年に未統一だった琉球を実効支配したのも、日本全体の天下統一の一部なのです。ただ、朝貢貿易しか許さない中国との貿易を続けるために、あたかも別の国であるような「擬制」をとったということです。この擬制を解消したのが「琉球処分」で、明治5(1872)年の琉球藩設置、明治12(1879)年の沖縄県設置がなされました。


■6.国連の「先住民族」プロパガンダに戦いを挑んだ人々

 以上のように、DNA、言語、歴史のいずれにおいても、沖縄の人々は日本人の一部として歩んできました。こうした事実根拠とともに、重要なのは沖縄県民もその他の日本国民も、同じ国民共同体の一員だという同胞感を持っていることです。

 前述の「日本の真相~琉球独立の背景~」では「現在でも琉球人の75%が独立を支持している」などというテロップを流しましたが、これがとんでもない大嘘であることは、次の事実から明らかです。

 すなわち「沖縄独立党」の屋良長助氏が、平成18(2006)年の沖縄知事選に出馬しましたが、得票6220票、得票率0.93%で惨敗しています。沖縄の人々にとって、「沖縄独立論」は笑い話に過ぎないのです。

 しかし、そんな笑い話でも何十年もかけたプロパガンダで実現に粘り強く取り組んでいくのが、中国流アプローチです。尖閣諸島にしても、1971年に公式に領有権を主張してから50年、現時点では武装した中国の公船が毎日のように領海侵犯を繰り返すところまで来てしまいました。中国のプロパガンダには、「笑い話」として見過ごしたりしてはならないのです。

 幸い、国連人種差別撤廃委員会での「沖縄先住民族」プロパガンダに対しては、いくつものNGO(非政府組織)が立ち上がってくれています。冒頭に紹介した「勧告」の前に、7月14日付けで「NGO Report」が発行され、22の団体の連名で、アイヌ、朝鮮学校、慰安婦などの問題とともに76ページもの反論を公表しています。沖縄に関しては、以下の明快な主張をしています。[NGO]

・沖縄県民はそもそも自分たちを日本人として認識しており、先住民族などとは認めていない。
・日本の国会でも地方議会でも、沖縄の人々が日本人か先住民族かなどと議論されたことはない
・沖縄の人々が先住民族などという主張は捏造されたもの
・その主張は沖縄の人々に対する差別であり、人権侵害であり、国連人権委員会の存在意義自体を否定するもの

 沖縄の人々のためにも、ひいては日本全体のために、こういう言論戦を国連の場でされている人々の努力に敬意と謝意を表します。一人ひとりの日本国民が、本編でご紹介したような論理と事実をよく認識して、こういう活動に声援を送る必要があります。
(文責 伊勢雅臣)

■お便り

■「沖縄の問題は日本全体の問題」(春樹さん)

私は、今回登場したこの゛日本沖縄政策研究フォーラム(旧 沖縄対策本部)”に少額ですが毎月寄付をさせて頂いている者です。

理事長の仲村覚さんやそのスタッフの皆様による沖縄のため日本のために行っている粘り強い活動には頭が下がる思いです。

今回のメルマガで取り上げてもらいました仲村さんの著書『沖縄はいつから日本なのか 学校が教えない日本の中の沖縄史』は私も読みましたが、とてもわかりやすくて良い本です。日本人なら是非、手に取って読んでもらいたい、と心から思っております。
決して厚い本ではないのですが、文章に抵抗のある方はこの本を更に簡略化した『これだけは知っておきたい沖縄の真実――誰が沖縄を守るのか?』(これは小冊子版ですので更に薄いです)をオススメします。

また、日本沖縄政策研究フォーラムでは、日本を取り巻く現状についての脅威、特に中国についてのリアルタイムでの脅威について日々、講演会や勉強会(今はコロナ禍なのでweb上にて)を行ってきておりますが、
時には(文中にもありましたが)沖縄への人種差別撤廃勧告を阻止する為に急遽、国連に出向いて行ったことも少なからずあったようです。そこには現実問題として当然、費用等もかかったであろうことは容易に推測出来ます。

沖縄の問題は日本全体の問題だと思います。

国際派日本人養成講座の読者の皆様は理解されている人も多いと思いますが、是非、読者の皆様方の友人にも日本沖縄政策研究フォーラムの活動を伝え広めて頂ければうれしく思います。

■伊勢雅臣より

 日本全体のために、このような活動をされている方々に深甚の敬意と謝意を表します。


■リンク■

・No.900 沖縄の祖国復帰を果たした県民の思い
 沖縄が「グアム」化や「香港」化の道を避け、日本復帰を果たしたのは県民の祖国愛の賜だった。
http://blog.jog-net.jp/201505/article_6.html

・No.801 沖縄は中国の領土なのか?
 沖縄が我が国の領土であるのは、多くの先人たちの努力の結果である。
 http://blog.jog-net.jp/201306/article_1.html

・JOG(393) 地球史探訪: 超速! 沖縄・琉球史
 50万部の大ベストセラーとなった面白い日本史受験参考書を読んでみよう。
http://www2s.biglobe.ne.jp/nippon/jogbd_h17/jog393.html


■参考■(お勧め度、★★★★:必読~★:専門家向け)
  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。

・"CERD/C/JPN/CO/10-11 Committee on the Elimination of Racial Discrimination"
https://tbinternet.ohchr.org/Treaties/CERD/Shared%20Documents/JPN/CERD_C_JPN_CO_10-11_32238_E.pdf

・"NGO Report in relation to the tenth to eleventh periodic reports of JAPAN"
https://tbinternet.ohchr.org/Treaties/CERD/Shared%20Documents/JPN/INT_CERD_NGO_JPN_31798_E.pdf

・『岩波講座 日本語〈11〉方言』★、岩波書店、S52
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/B000J8SLXQ/japanontheg01-22/

・篠田謙一『新版 日本人になった祖先たち DNAが解明する多元的構造』★、NHKブックス(Kindle版)、H31
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/B07NSVMYL9/japanontheg01-22/

・仲村覚『沖縄はいつから日本なのか 学校が教えない日本の中の沖縄史』★★★、ハート出版(Kindle版)、R01
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/B07FKHQBND/japanontheg01-22/

・外間守善『沖縄の歴史と文化』★★、中公新書(Kindle版)、S61
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/B00G44VJAG/japanontheg01-22/

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