Wing(2609) 国民の権利としての国防


 南北戦争で、北軍の黒人部隊創設の決定に、なぜ黒人の奴隷解放運動家は大喜びしたのか。

■■ 転送歓迎 ■■ No.2609 ■■ H28.10.03 ■■ 8,246部■■


 蓮舫議員の二重国籍問題がかまびすしいが、何の証拠も見せずに説明を二転三転している姿を見ると、誠を大切にする本来の日本人の姿にはとても見えない。嘘をつくことへの罪悪感に関しては、日本人と近隣諸国の間では、大きな違いがあるのだろう。

 国籍に関して、最近読んでいる本から考えさせられた事を書かせて戴く。その本はアメリカでベストセラーとなったリンカーンの伝記『Team of Rivals』である。映画『リンカーン』の原作であり、アメリカのアマゾンでは2900件以上のカスタマー・レビューが寄せられ、5つ星評価で4.7というから凄まじい。

 原書は単行本サイズで本文757ページ、加えて注釈が150ページもあるという浩瀚な本である。邦訳も出ているが、英語の勉強も兼ねて、毎日2,3ページ読んでおり、3月初めから7ヶ月かかって、ようやく585ページまで辿り着いた処である。

 場面は南北戦争の後半に入ったが、リンカーンが奴隷解放宣言を出した後で、北軍に黒人部隊を作ることを決定した逸話があった。
これに大喜びしたのが、黒人で、奴隷解放の運動の旗手であったフレデリック・ダグラスであった。

 彼は各地を回って、「なぜ黒人が戦いに参加しなくてはならないのか」を説き、黒人兵の募集に協力した。その理由はこうである。

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 白人と平等の公民権を要求するのに、共に戦う以上に、明白な正当性はない。あなた方は今までよりも、誇らしく立ち、安心して歩き、侮辱される恐れも減る。アメリカのために戦う者は、アメリカが祖国だと主張できる。そして、その主張は尊重されるのだ。
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 国のために戦う事で、国民としての正当な権利を主張できる。それまでは、北軍でも南軍でも、黒人は公民権は認められておらず、当然、戦いにも参加できなかった。

 国防に参加すること-それは兵として参戦するだけでなく、銃後の守りや、献金や労働奉仕なども含むが-それが、国民としての参政権などの権利の源泉である。国家とは国民の運命共同体である以上、国家危急存亡のおりには共に国家を支えるために立ち上がる事が、国民たる証しである。

 蓮舫議員が二重国籍問題に関して問われているのは、万一、台湾と日本で戦争になったら、どちらの側について戦うのか、という覚悟だろう。国籍選択や離脱の手続き論の根底には、こういう国家観の問題がある。