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zoom RSS No.864 日本人の生き方を支える「赤猪(あかい)抱き」 〜 読者のおたよりから

<<   作成日時 : 2014/08/31 01:13   >>

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 タイ農民支援、予備自衛官、西郷隆盛、大西瀧治郎中将に見る「赤猪抱き」の伝統


■転送歓迎■ H26.08.31 ■ 43,666 Copies ■ 3,894,579Views■

伊勢雅臣> 前号「赤猪(あかい)抱き 〜『新釈古事記伝』から(2)」には、多数のお便りをお寄せ頂き、ありがとうございました。個別のお便りへのご返事が遅くなって、申し訳ありません。

 お送り頂いたお便りの中から、以下の4編を選ばせて戴きました。それぞれ、お心の籠もったお便りに感銘を受けました。本号にて、その一部を紹介させて戴きます。なお、表題、および、各節のタイトルは、読みやすくするために小誌の方でつけさせて戴きました。

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タイ農民の生活向上にかけた「赤猪抱き」

修三さんより
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■タイの農民とともに

 私は1989年に49歳でタイに移住し、既に25年余りになりました。妻を交通事故で亡くし、生き甲斐を見つけられなくなり、アジアの国でそれまでの経験を生かせればと思い、タイに移住したのですが、未だ目的が達成できず、日々挑戦をしています。

『新釈古事記伝』もその一つですが、毎回、伊勢さんの文面を読み、自分に言い聞かせながら諦めず、そして、目的達成への最短距離を見つけながらタイの農民と共に暮らしています。

 赤猪(あかい)抱きの意味は「正しいことをしても、すぐには世の中から認められない。天を相手に仕事をせよ」であるとお聞きし、私が試みる農民への生活向上への計画を明日もまた、諦めずに進める糧をいただいた思いです。

 現在は、毎年洪水に見舞われるナコンサワン県チュンセン郡というところでの新たな米品種栽培を始めています。タイの米は香り米、糯米、そして低価格のホワイトライスの3品目ですが、世界の食習慣が変化し、より高級品種の栽培が求められています。その為、此の洪水地区に日本米を栽培し、より高値で、安定した米栽培を奨励するために、3年前から始めています。

 今収穫している米は4月栽培のものですが、9月には河川からの増水で11月までは水郷になります。その面積は稲作面積32万ライ(5万ha)の8割が洪水になります。しかし、11月後半から随時、水が引き、12月からは第1期作が始まり、翌年3月には収穫し、4月から2期目の栽培が始まります。

 現在、約100ヘクタールの栽培ですが、11月からの1期作は500ヘクタール栽培の準備をしています。何時までも政府援助に頼るのではなく、考える農業、創作する農業への『自立する農民教育』への転換にしたいのです。


■日本人の心をつたえながら

 今まで、私は北部山岳民族の栽培品目改善や栽培集荷システムを指導し、現在、これらの地区の人達が自立しているきっかけをやって来ましたが、当時は「赤猪(あかい)抱き」の思いでしたが、今は彼らの努力が功を通し、山岳農業が成功しています。誰かがきっかけつくりをしないと、成長は無いものです。

 タイの農業を語れば数日間、いや、1週間、語り続けても尽きることの無い経験をしています。親から授かった健康、体力を惜しむことなく発揮し、タイの農民生活を少しでも良くなるように勤めてゆきます。

 私は日本人です。私が接触するタイの農民は日本人の私を愛し、そして親しく接してくれます。日本人の心、人への貢献、そして一つの親切が又、他の人への親切に広がることを伝えながら暮らしています。

『新釈古事記伝』を1セットお送り頂けるとのこと、タイ語に訳し、タイの農民子女への教育に使えれば、きっと、農耕民族共通の生き方が伝達できるかも知れません。人は生を受けたときから、他の人に役立つ事が任務として課せられているのだと考えていますが、よいものを伝達することもその一つです。


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予備自衛官の赤猪抱き

「名もなき國民のひとり」さんより
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■偶然目にした「赤猪抱き」

「No.863 赤猪(あかい)抱き」を拝読して、子供でも分かる物語でいとも簡単に正解(真理)を見せられたような気がしています。何となく分かってるつもりではあっても、目をつぶって背を向けてきた自分にはグサッときました。

 世のため人のためとか公徳心という言葉をあまり聞かなくなったばかりか、逆にそれらがベタだとか糞真面目でつまらないとかスマートでない印象で捉えられているのが現代社会の一面だと思います。そういう現代にあって、偶然、私は赤猪抱きを目にしました。

 3.11の大津波の後、何気なくテレビを見ていた時です。家業である酒屋が瓦礫と化し、暗い面持ちでその片付けをしていた母親と息子さん(多分、30代くらい。)のお二方をレポーターが報道している時でした。そこへちょうど自衛隊の方が二人来て、その息子さんに告げたのです。

「〇〇さんですか。予備役が召集となりました。」と。私は、ビックリしました。まさかだろう、誰がどう見たって応じられる状況じゃないし、逆に本人が助けを必要としているじゃないかと。ここで私は再びビックリしたのです。

 その息子さんが片付け作業を止め、「はい、分かりました。」と直立して即答したのです。そして「自分はこういう時に人々の助けになりたくて予備自衛官になったんです。だから行きます。それが任務です。」と自分を力づけるかのように言いました。老いた母親に対しては、自分は頑張ってくるからお母ちゃんも体に気をつけて待っていてというようなニュアンスのことを伝えていたと思います。

 母親は、少し間がありましたが、取り乱すことなく「そうかい。任務なら仕方ないね。しっかり頑張っておいで」と返していたように思います。でも、その言葉は力なく、やっとの思いで声を振り絞って発していたと思います。本当はすがりついてでも止めたかったのかもしれませんが、以上のようなやりとりが淡々と行われていました。


■国ができた時から普遍的な心の道標が備わっていた

 私は涙が込み上げてきて止まりませんでした。そして、涙でよく見えなかったので、もう一度見て細部まで状況を把握したいと思いました。当時は、同じニュースが朝から晩まで幾度となく繰り返されるのが常でしたので、一日中テレビにかじりついていましたが、残念ながら流れませんでした。

 流れないということはわざと流さないようにしているんだなと勘ぐっています。自衛隊の召集を冷酷無情だと印象づけるには格好の材料として使えるはずですが、そういう小細工が消し飛ぶほど深い感動を人々に与える情景だったことは間違いありません。

 袋背負いの心、赤猪抱き、世のため人のため、自己犠牲というような尊いものを否定するための方策として「軍国主義」と結びつける手法をとっている者達にとっては、とてもじゃないが手に負えるようなものではないと両刃の剣に感じて攻撃材料にしなかったのだと思っています。

 兎も角、古事記が神話や歴史書の域にとどまらず、人の生き方というものを分かり易く示しているものだということが分かりました。日本には国ができた時から普遍的な心の道標が備わっていたということはもの凄いことです。

 その単純明快さは、小学校の道徳の時間にうってつけだと思います。早くいろいろな人の目に触れてその価値が認識され、もっともっと増刷されることを期待して止みません。


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西郷隆盛の「赤猪抱き」

Hitoshiさんより
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■西郷隆盛の「人を相手にせず、天を相手にせよ」

 尊敬する先輩からの影響で、古典から学ぶという事に興味を持ち様々な書籍を読んできましたが、心に残る名著の一つとして「西郷南洲遺訓」を何時も傍らにおき、悩んだ時迷った時に読み返し、何が正しい道かを常に自問自答しています。

 文中でご指摘の通り、西郷さんは日本を欧米列強の植民地化から救う為の維新回天の偉業から始まり、最期は自ら犠牲となって旧守派を初めとする反政府勢力を一掃し、明治新政府の近代国家としての飛躍を後押ししたという日本の近代史においてはなくてはならない重厚な存在であると考えています。

 その西郷さんが南洲遺訓の中で語っている彼の人生訓ともいえる「人を相手にせず、天を相手にせよ」という信念が、我が国の最も古い書物の一つである「古事記」の内容と深い関連性を持つという事を教えて頂き、今清々しい気持ちでこの感想文を書いています。

「古事記」に関しては、大和朝廷が自らが政権担当することの正当性を広く日本の人々に知らしめる為、出雲地方を中心として語り継がれてきた日本古来の神話を編集し、大国主命が皇祖神である天照大神の子孫に国を譲るというストーリーであるという程度の認識でしたが、その細部には日本古来の精神風土、美意識をしっかりと伝える努力と工夫があったことを初めて知り、眼から鱗が落ちたような衝撃を受けました。

 特に、大国主命が赤猪抱きによって自ら犠牲となり「天にとって何が正しいか」を主張するくだりは、正に西郷さんが「天にとって何が正しいか、日本が正道を取り戻す為に自分が出来ることは何か」を考え、西南の役の首領として担がれることを拒絶しなかったことに通じると思います。

 反逆者であった筈の西郷さんが、多くの人々に尊敬され語り継がれる理由が古事記以来受け継がれてきた日本人の精神文化に潜んでいるということをもっと人々に伝えるべきと思います。


■近代日本の失敗は日本人の心の継承が出来なかったから

 西郷さんの自己犠牲の結果として、その後日本は一丸となって近代化の道を歩む事が出来た訳ですが、一方で西郷さんが標榜した欧米列強とは違う「和魂洋才」の実践は次第にその正道を外れ、やがて精神文化の西欧化と共に日本を破滅の道に向わせてしまった近代史上の失敗は、やはり古事記以来伝承されてきた「赤猪抱き」に代表される日本人の心の継承が出来なかった事に由来すると思います

 この意味で混沌とした乱世の様相を呈してきている世界情勢の中で、日本人が日本人らしく強く逞しく生き抜き天の求める正道を歩む為にも、古事記に代表される古典が継承してきた素晴らしい精神文化のエッセンスを学ぶべきと強く感じました。

 その結果として多くの日本人が自らの歴史伝統に誇りを持ち、更に良いものにしてゆこうとする想いこそが、国を救い世界の進歩に貢献すると信じて止みません。

 無論、自分達の子供達、若い同僚達にも広く日本の古典の購読を薦めて行きたいと考えています。


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大西瀧治郎中将の「赤猪抱き」

充男さんより
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■「特攻の真意」は日本本土決戦を防ぐこと

国柄探訪: 赤猪(あかい)抱き 〜『新釈古事記伝』から(2)を読ませて頂き、丁度読了したばかりの『特攻の真意〜大西瀧治郎なぜ「特攻」を命じたか〜』に描かれた大西瀧治郎こそ正に赤猪抱きではないかと思い至った。

 この本では大西中将の副官であった門司親徳と特攻機の直掩機として20回出撃した零戦搭乗員角田和男の戦後の証言を丹念に取材し大西中将の「特攻の真意」に迫る感動的なノンフィクションである。

 角田は言う「大西中将は、本土決戦さえ防ぐことができれば、たとえ国は滅びても日本民族は残る、残った民族に将来の再興を託す、という最終の決断をされたのでしょうね」

 門司も言う「大西中将の徹底抗戦論は、味方の戦意を奮い立たせると同時に、特攻隊を盾にしてアメリカに日本本土決戦を思いとどまらせ、和平を促すためのメッセージであったと思います」


■大西中将の赤猪抱き

大西が門司に語った「棺を蓋うて事定まる、とか、百年ののちに知己を得る、というが 俺のやったことは、棺を蓋うても事定まらず、百年ののちも知己を得ないかもしれんな」

アメリカは日本本土上陸作戦を実行する前に、原爆2発を投下することで日本の継戦意欲を殺ぎ、8月15日の終戦の玉音放送に至った。アメリカとしても日本本土上陸作戦に対する日本の必死の特攻攻撃による米兵の死傷者100万との予想もあり、出来れば避けたい作戦であったろう。

 結果的に大西中将の特攻攻撃はアメリカの日本本土上陸作戦を防ぎ、天皇の聖断による終戦を導いたのだから決して無駄に終わったわけではない。大西中将は8月16日に自刃し、遺書を残している。その一節を引こう。

<特攻隊の英霊に日す 善く戦ひたり深謝す 最後の勝利を信じつゝ 肉弾として散華せり然れ共其の信念は遂に達成し得ざるに至れり 吾死を以て旧部下の英霊と其の遺族に謝せんとす>

 赤猪抱きが「正しいことをしても、すぐには世の中から認められない。天を相手に仕事をせよ」ということであるならば、大西中将の特攻攻撃とは当に赤猪抱きではなかろうか。

(文責:伊勢雅臣)

■リンク■

a. JOG(863) 赤猪(あかい)抱き 〜『新釈古事記伝』から(2)
「正しいことをしても、すぐには世の中から認められない。天を相手に仕事をせよ」
http://blog.jog-net.jp/201408/article_7.html

b. JOG(858) 袋背負いの心 〜 『新釈古事記伝』から
 外国人も賞賛する我が国の「思いやり社会」の理想は『古事記』に説かれていた。
http://blog.jog-net.jp/201407/article_6.html

■参考■(お勧め度、★★★★:必読〜★:専門家向け)
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1. 阿部國治『新釈古事記伝 全7巻』★★★★、致知出版社、H26
http://www.chichi.co.jp/special/yamatonokokoro/


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