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zoom RSS No.547 ナショナリズムという反抗期

<<   作成日時 : 2008/05/11 21:37   >>

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 言論の自由も人権も認めない中韓のナショナリズムの激情にどう向き合うのか?

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■■■ 本稿はステップメール講座「韓国問題 現代編」に収録されています ■■■

 ステップメール講座は、特定テーマに関して、過去の弊誌記事を体系的に整理し、お申し込みいただいた受講者に第1号から順次、週1編のペースでお送りする無料講座です。

「韓国問題 現代編」の目次、およびお申し込みは以下のページからどうぞ:
JOG Step 韓国問題−現代編 開講
http://blog.jog-net.jp/201309/article_9.html
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■1.長野に林立した中国国旗■

 聖火リレーを護るべく、長野の沿道を埋め尽くした巨大な真紅の中国国旗の林立ぶりに、多くの日本人は違和感や不安感を抱いたことだろう。日の丸とチベット旗を持って沿道にいた中川章さん(57)はこう証言している。[1]

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 市役所近くの交差点で中国人の集団にいきなり、巨大な中国国旗で通せんぼされましてね。若い中国人の男に旗ざおで左手の甲をたたかれ、小旗をもぎ取られ、後頭部に旗ざおでズコンですよ。旗ざおといっても長さ2メートル以上、直径3センチ以上もあるアルミ製。・・・

 70歳すぎの知人も若い女に腹をけられ、プラカードはビリビリに破られました。警察官が3人ほど駆けつけてくれましたが、彼らも旗ざおで殴られていました。・・・

 結局、私は後頭部に大きなコブが残り、おまけに頸椎(けいつい)ねんざで全治3週間。医師の診断書をとり、警察に被害届を出しました。20人近くの仲間も頭や背中にけがをしました。女性も老人もお構いなしです。一体ここはどこの国なんですか!
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 自らと異なる主張をする人々に対して暴力を振るうことに何のためらいも感じない精神構造は、およそ思想・言論の自由と人権を重んずる近代社会にはそぐわないものである。


■2.「漢奸(売国奴)」■

 もちろん、冷静に事態を考える中国人もいる。米国デューク大学で、チベット問題をめぐる学内対立の回避を呼びかけた中国人女子学生、王千源さん(20)はその一人だが、「民族敗類」(民族の面汚し)といった罵倒(ばとう)のメールや掲示板への書き込みが殺到し、その上、個人情報がネット上で暴露され、中国・青島の実家も、赤ペンキで「殺売国賊」(売国奴を殺せ)と落書きされたという。[2]

「売国奴」をかつて中国では「漢奸(かんかん)」と言った。中国での民主化運動に関わり、今は日本国内で言論活動を展開している石平氏[a,b]は、「漢奸」「売国奴」の持つ語感について、こう解説している。[3,p73]

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 漢奸とか売国奴とかはいちばんきつい罵倒語で、全人格を否定する言葉になります。あいつは泥棒だといわれても、泥棒には泥棒なりの人間性がある、あいつは悪いやつだとか人殺しだとかいっても人間性まで否定しているわけではない。でも漢奸となると、もう人格も人間性もまったくないわけです。これはお前は人間じゃないといっているのと同じです。漢奸はキリスト教でいえば悪魔にあたるでしょうね。いったん漢奸だと烙印を押されると、もはや名誉回復の可能性もなくなります。
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 石平氏自身は明らかには語っていないが、「今の中華人民共和国という国家自体に正当性がない[3,p43]」とまで公言している人物だけに、現代の「漢奸」「売国奴」として、王千源さん以上の罵倒が浴びせられているものと思われる。


■3.「自分が虫けらであるかのような気持ちにさせられる」■

 もう一人、祖国から「売国奴」と罵倒されている人物がいる。韓国から来日して日韓比較文化論などを著している呉善花(お・そんふぁ)氏である[c]。呉氏は自らの体験をこう語る。[3,p75]

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 韓国では、女性に対する最悪の非難言葉として売春婦という言葉が使われますが、売国奴という言葉もそれと同じ屈辱感を感じさせる言葉になります。国を売るというと抽象的に聞こえるかもしれませんが、韓国人には身体を売るのと同じ感覚で響くんです。

 ・・・これは人格の否定、もうお前を人間として認めないということですから、何をいってもいいわけです。どんな口汚くののしっても、相手が売国奴である限り許されます。私に対する非難でも、それはもう聞くに耐えない汚い言葉がズラッと並ぶんですね。・・・

 私の場合は、私を売国奴と非難する韓国の記事などを読んでいると、自分が何か毛虫のようになっていく気持ちになるんです。意識のうえでは何のやましさも感じてないのに、自分が虫けらであるかのような気持ちにさせられるところが、やはり韓国人なんでしょうか。自分でも嫌になってしまいます。

 日本をいろいろと知っていって、私を含めた韓国人がいかに日本をなめていたのか、何も知らずに威張ってばかりいたのかを思い知らされ、そこから自分なりに感じた日本評価と韓国批判を書いていったわけですが、書けば書くほど韓国で叩かれるのですね。こんな国って、ちょっとほかにないんじゃないでしょうか。
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 こんな思いまでしながらも筆を曲げない呉善花氏の節操には、敬意を表するばかりである。


■5.「韓国には歴史観というのはひとつしかない」■

「売国奴」と罵倒されるのは、まずその国家が唯一のイデオロギーや歴史観を定め、それを盲信する国民がそれへの一切の批判を許さない所から生ずる。呉善花氏は、自らの体験に照らして、こう語っている。[3,p127]

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 ・・・歴史にはいろいろな観点があるということを、私は日本に来てからはじめて理解しました。だから、日本では韓国や中国の歴史観に賛成する意見も、堂々と述べられるわけです。韓国ではそれは許されないことですね。

 韓国には歴史観というのはひとつしかない。ひとつのイデオロギー、国家のイデオロギー、国家宗教となっています。そうした歴史教育によって、ひとつの歴史観が国民のアイデンティティを形成してしまいます。
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 韓国の「ひとつしかない」歴史観は、「日韓合同歴史教科書研究会」での韓国側の主張によく現れているとして、呉善花氏はそれを次のように要約している。[3,p201]

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1. 日本には神功皇后の三韓征伐説、任那日本府説など、古代以来の根深い征韓論がある。
2. それは、豊臣秀吉の侵略前後に、学者たちによって朝鮮劣等論、蔑視論へと集約され、幕末の韓国征伐論となった。
3. 明治初期の征韓論はそれを受けて朝鮮侵略を引き起こした。
4. 征韓論は現在の日韓関係にまで延長している。
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 日本側の学者は韓国側から、「合同研究の大前提」として、まずこれを認めろ、と要求されたという。これを「一つの仮説」として、歴史的事実に照らして検証しよう、というなら、まだ学問的態度と言えるが、これを「前提」として認めよ、というのでは、自らのイデオロギーに従えと言っているに過ぎない。

 こんな要求を突きつけられた日本の歴史学者たちは、唖然としたことであろう。


■6.「間違いはすべてよそがやっていること」■

「ひとつしかない歴史観」というのは、中国も同じである。「歴史を鑑(かがみ)として」とは、江沢民や胡錦濤など中国側が繰り返し使っている言葉だが、これに関して、石平氏はこう論評している。 [3,p117]

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 歴史を鑑にするということは、歴史を見て今の自分たちが間違っていることはないかと、歴史に照らして正しいことをしているのかと、あらためて自分たちの今をみつめることでもありますよね。でも今の中華人民共和国は、最初から自分たちが間違っているとは思っていません。間違いはすべてよそがやっていることで、自分は間違ってないと思っているんですから、歴史を鑑にする必要はまったくないんです。
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 中国が日本の「侵略」で苦しみを受けた歴史を「鑑」にするというなら、現在の中国自身がチベットを武力侵略して同じ苦しみを与えているわけで、まずはそれを反省する必要がある。そんな事をおくびにも出さずに、日本政府に「歴史を鑑に」というのは、中国側の「ひとつしかない歴史観」を受け入れよ、という事に他ならない。それは学問的な歴史観というより、一つの政治的イデオロギーに過ぎない。


■7.中国・韓国はイデオロギー国家■

 政府が「ひとつしかない歴史観」を定め、民衆はそれに従わない人間を「売国奴」として罵倒する。そういうイデオロギー的・全体主義的な風潮がなぜ中韓に強いのか、呉善花氏はこう説明している。[3,p232]

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 日本は江戸時代に地方分権のシステムが根付いていましたが、韓国や中国は最後まで中央集権国家の歴史でした。そういう歴史性の違いもあって、日本は韓国や中国の全体主義的な動きには、最初からアレルギー反応が強いように思います。

 根本的な違いは、中国・韓国は明らかなイデオロギー国家ですが、日本は国家や民族をまとめる中核思想や中核的な宗教、つまりイデオロギーを持っていない非イデオロギー国家だということです。

国家、民族、人間の行動を貫く基本的な考え方はこれだという、一個の大きな観念形態が規定する原理原則をもつのがイデオロギー国家ですが、日本はまったくそうではない。そして、そうではないということが、中国や韓国にはまったく理解できないんです。

 それでも日本は現実の外交関係では、ちょっとやりすぎと思えるほど、相手の立場や事情を考慮しながらつきあおうとします。しきりに理解を示そうとするんですが、相手のほうにはそういう理解を示そうという発想がない。すでにそこのところで、価値観や倫理観の違いによる行き違いが出てくるんですね。
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 今回の胡錦濤訪問でも、まさに福田首相の姿勢は「ちょっとやりすぎと思えるほど、相手の立場や事情を考慮」したものだった。しかし「相手のほうにはそういう理解を示そうという発想がない」。こういう行き違いの中では、ガス田問題、毒ギョウザ問題、チベット問題などに関して、本質的な議論がなされるはずもなく、当然、何ら具体的な成果も上がるはずもなかった。


■8.ナショナリズムという反抗期■

 日本の地方分権的に対して、中韓の中央集権的という歴史的個性の違いもあるが、もう一つは国民国家としての発展段階の違いもある。

 意見の異なる相手を「売国奴」と罵倒する傾向は、かつての我が国にもあった。たとえば、日露戦争の講和に賛成した『国民新聞』の徳富蘇峰は、「売国奴」として罵られ、暴徒が社屋に押しかけて焼き討ちを図った。[d]

 一つの国民国家が生まれ、成長していく過程では、程度の差はあれ、こういう熱烈なナショナリズムが燃え上がる時期がある。それはちょうど少年が大人になる過程で、反抗期を迎えるのと同じである。

 周囲の大人たちに反抗していく過程で、自我が確立し、やがて社会の中で自立した人間となっていく。国家もナショナリズムという反抗期を経験し、それを乗り越えた段階で国際社会の中で自立した国民国家になっていく。

 こうして成熟した国家の国民が抱く自国の個性や特長に対する自然な「祖国愛」とは、反抗期のイデオロギー的な「ナショナリズム」とは、本質的に異なるものである。

 こうした反抗期のナショナリズムを、我が国は19世紀後半から20世紀前半にかけて体験し、卒業したわけだが、韓国は今、ようやく卒業しつつある段階のようだ。かつては慰安婦問題や竹島問題が燃え上がるたびに、群衆が日本大使館を取り巻き、日本国旗を焼くという騒動を起こしていたが、ここ数年はそういうナショナリズム的激情はだいぶ沈静化しつつある。
(韓国政府はまだしきりに反日政策で人気取りを図ろうとしているが、民衆レベルでは「反日」疲れか。H250902付記)

 逆に中国はまさに政府が煽っている面もあって激烈なナショナリズムの時代に突入しつつある。北朝鮮に至っては、中世的専制独裁体制のもとで、国民国家の入り口にも到達していない。

 こうして東アジアの国々が異なる歴史的段階を生きている現象を古田博司・筑波大学教授は「東アジア異時代国家群」と呼んでいる。[e]

■9.相手に聞く耳を持たせるには■

 こういう反抗期のナショナリズムに燃える国とどう付き合っていったら、いいのだろうか。呉善花氏は、自らの体験をこう語っている。[3,p239]

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 私の場合は、アルバイト先の仕事の関係で、韓国のことをよく知ったビジネスマン、ジャーナリスト、弁護士などのグループがあって、そこに参加して歴史認識の議論なんかをしたんです。彼らは私が反日韓国人であることなど一切かまわず、自分たちの考えを隠すことなくストレートに表現するのです。それで私の方も激しくストレートな主張をする。ですからほとんど喧嘩になるんですが、その会の後では必ずみんなで飲み会をして楽しく騒ぐんです。
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 呉善花さんはこの人たちの考えには強く反発しながらも、彼らが韓国の歴史や文化をよく知っており、さらに堂々と自分の意見を述べる姿勢・態度に、ともかく聞く耳をもったという。

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 韓国人なら誰でもそうだと思います。日本人は何かといえば衝突を避けようとして、いいたいことをあまりいわない。それで場をとりつくろうとして謝ったり、相手の下に出ようと謙虚な姿勢をとろうとしたりする。これが韓国人に不信感をもたせることになってしまうんです。・・・

 韓国人は、この人は自分の国のことをよく知っていてくれるなあと感じ、しかも相手が堂々と自分の意見を主張していると感じられると、まず聞く耳をもちますね。もちろんこれは出発点ですが、ここが第一のポイントだと私は思っています。これは公的な場面のことですから、外交関係にも通ずることだと思います。
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 反抗期の若者がオートバイで暴走したり、弱い者いじめをしたりしているのを、下手に出てご機嫌取りなどをしてはいけない。相手としっかり向き合って、「悪いことは悪い」と注意しなければならない。それが本人の健全な成長のためでもある。
(文責:伊勢雅臣)

■リンク■
a. JOG(487) 中国の覚醒(上) 〜 中国共産党の嘘との戦い
「毛主席の小戦士」から「民主派闘士」へ、そして「反日」打破の論客へ。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogdb_h19/jog487.html
b. JOG(488) 中国の覚醒(下) 〜 日本で再発見した中国の理想
 中国で根絶やしにされた孔子の理想は、日本で花開いていた。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogdb_h19/jog488.html
c. JOG(246) トウガラシの韓国、ワサビの日本
 日韓共催のワールドカップは、隣人同士の異質さを明らかにした。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h14/jog246.html
d. JOG(466) 徳富蘇峰 〜 文章報国70余年
 近代日本最大のオピニオン・リーダーは、なぜ忘れ去られたのか。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogdb_h18/jog466.html
e. JOG(265) 「反日」ナショナリズムという病 〜 "日韓"関係の正常化に向けて
 韓国の「反日」ナショナリズムを分析すれば、日韓関係がうまく行かない理由が見えてくる。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h14/jog265.html

■参考■(お勧め度、★★★★:必読〜★:専門家向け)
  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。

1. 産経新聞、H20.05.05、「胡主席 本当の聖火リレーご存じですか」
東京朝刊、1頁、総合1面
2. 産経新聞、H20.05.01、「米大学チベット問題仲介の王さん 同
胞が攻撃 家族も標的『文革』想起」、大阪朝刊、7頁
3. 黄 文雄/呉善花/石平『売国奴』★★★、ビジネス社、H19
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4828413871/japanontheg01-22%22

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ おたより _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
■「ナショナリズムという反抗期」に寄せられたおたより

■茉莉花さんより

 私が小学生の頃(1955年頃)に見た「毛おじさんと子どもたち」と言う写真は毛沢東を囲んでたくさんのこどもたちがにこにこ笑っているものでした。平和と豊かな収穫をイメージさせるものでした。同じような写真は今、北朝鮮の写真によくみられます。

 権力者はナショナリズムを利用していつまでも立場を維持する術を心得ていると思います。民衆はみな同じ方向をみていてほかの世界を認めようとしない、このかたくなさは私にとって理解できないものでしたが、これが成熟した国家への道程だとすればこの大国中国がこれからまたどのように変化してくるのかとても興味があります。

 戦後の私たち日本人は自由に情報を得ることが出来たと言うこともあって自分の考えを持つことも出来るし、判断し批判することもできるようになったと思います。その意味で日本はしあわせな道を歩んで来たとおもいます。

豊さんより 韓国や中国の過剰なナショナリズムはご指摘の通り、これらの国々が近代的国家として極めて短い歴史しか持っていないことがその理由の一つだと思います。

 最近もチベット問題について中国要人がアジア諸国中でこの事件を問題視しているのは日本だけだと言う趣旨の発言をしています。これはとりもなおさず、日本以外のアジア諸国が近代的な国民国家としての歴史を持っておらず、言論の自由とは何かを理解していないことの証左だと考えます。

 中国は極端に言えば清朝の専制国家から共産党の専制国家に衣替えし、今でこそ表面的には近代国家のごとく装っていますが、その実態は前近代的でおよそ国民国家と呼べるものではありません。このような国が経済的に発展し、米国と並ぶスーパーパワーを目指していることは、日本にとっては迷惑以外の何物でもありません。

 このような状況で日本がどのような戦略をとるべきかもっと真剣に考えるべきではないでしょうか。我が国の政治家がレベルの低い政争に明け暮れ、根本的な国家戦略についての国民的な議論がまったく欠落していることは嘆かわしい限りです。

■ 編集長・伊勢雅臣より

 あまりにも過激なナショナリズムという「反抗期」も困りますが、成熟期の自然な祖国愛を否定しようとする見当違いも困りますね。



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