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zoom RSS No.060 南京事件の影に潜む中国の外交戦術

<<   作成日時 : 1998/10/31 05:17   >>

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 中国系米人の書いたベストセラー "The Rape of Nanking"は日米同盟への楔。


■1.目をえぐり、耳と鼻をそぎ...■

 平成9(1997)年、Iris Chang という中国系米人の書いた "The Rape of Nanking"という本が、10万部以上売れ、ベストセラーリストに入った。まだ日本語版は出ていないが、その強烈に反日的な筆致は、日本人にはショッキングである。

 チャンがどのように「南京大虐殺」を描いているか、その一端を覗いてみよう。南京占領の章では、生き埋め、八つ裂き、火あぶ
り、氷漬け、犬にかみ殺させる、強姦などのおどろおどろしい記述が続く。たとえば、こんな具合である。

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 少なくとも、100人の男が、目をえぐり出され、耳と鼻をそがれてから、火炙りにされた。また別の200人の中国人兵士や市民は、裸で学校の戸や柱に縛りつけられ、zhuiziと呼ばれる柄のついた特別な針で口やのどや、目など何百カ所も突かれた。[1,p87]
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 このzhuiziとは、いったい何なのか。語感からして日本語ではないようだ。手元の日本最大級の英和辞典にも出ていない。中国の伝統的な拷問用具なのだろうか。

 そうなら日本兵が中国の拷問用具を使って、いかにも中国的な虐殺をしているわけで、まことにリアリティに欠けた描写である。いつ、どこで、誰が、という基本的な事実はいっさい出てこないので、検証のしようもない。


■2.日本の子供は夜9時から朝6時まで勉強する?■

 この本がどの程度、客観的に信頼できる情報を提供しているか、読者自身に判断してもらえる格好の材料がある。こういう一節である。

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 日本人の子供は、生まれた時から、東大を頂点とするピラミッドを戦いながら登っていく。東大に通ずる高校に入るための、詰め込み式の小中学校があって、子供達は夜9時から朝6時まで勉強する。それらの小中学校に入るための、詰め込み式の幼稚園がある。さらにそうした幼稚園への切符を約束してくれる産院さえある。

 こうした受験地獄にも関わらず、日本の教育システムは意図的な記憶喪失にかけられており、1994年になるまで、日本の子供達はヒロヒトの軍隊が第2次大戦中、2千万人もの連合軍兵士とアジアの市民を犠牲にした事を教えられないでいた。

90年代の始めには、ある高校教師が、日本がアメリカと戦ったと教えた所、生徒達はびっくりして、どちらが勝ったのか、質問した、という事実を新聞で紹介した。[1,p205]
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 著者(というより作者か)の文章はなかなかパワフルで、日本について何も知らない人なら、日本というのはなんと異常な国かと思いこんでしまうだろう。チャンの本の特色は、何の具体的な証拠も示さずに、こういう極端な記述を平気で続ける点である。


■3.「タイサ」は人名ではない■

 固有の人名が出てくる所では、チャンの本の信頼性がすぐにばれてしまう。たとえば、

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 朝香宮の諜報将校、Taisa Isamoは...Taisa はこう言った..[1,p40]
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 このTaisa Isamo は、松井軍司令官の制止を無視して、捕虜処分命令を出したとされる長勇(ちょういさむ)中佐のことであるが、チャンはTaisa(大佐?)を人名の一部だと勘違いし、さらに勇を
Isamoと読み違えている。

__________
 日本語の諸文献もスギヤマ・サトコなど数人の女性ボランティアに英訳してもらったようだが、日本語もドイツ語も読めず、チェックしてもらう一流の近現代史専門家と縁のない女性がこの大テーマと取り組んだのだから、惨憺たる出来栄えになってもふしぎはない。[2,p31]
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 とは、近現代史研究で著名な秦郁彦日大教授の評価である。


■4.プロパガンダ写真のテクニック■

 文章とともに、写真もなかなかの「出来栄え」だ。まずは、ほとんどの写真で、いつ、どこで、誰が、どういう状況で撮影したものか、が記載されていない。あるのは、単に「台北、軍事委員会政治部」というような提供元で、プロパガンダ写真の素性まるだしである。

 たとえば、橋の上で、日本軍兵士がシナ人の女性や子供達と一緒に歩いている写真があり、次のような説明がついている。

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 日本軍は何千人もの女性を駆り立てた。彼女らのほとんどは強姦されるか、従軍慰安婦にさせられた(台北、軍事委員会政治部)[6]
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画像


 この写真の出所は、秦教授の調査で、「アサヒグラフ」1937年11月10日号であることが明らかになった。全体の説明文には、

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 我が軍の庇護によって平和に還った二つの部落がある。その一つは「日の丸部落」といわれる盛家橋部落で...約四百名の村民は、我が軍の保護によって敗残支那兵の略奪をまぬかれ、意を安んじて土に親しんでいる桃源郷
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 とある。問題の「連行」写真には、次の説明がついている。

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 我が兵士に護られて野良仕事より部落にかえる日の丸部隊の女子供の群
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 この写真は、岩波新書「南京事件」でも、「日本兵に拉致される江南地方の中国人女性たち」と紹介され、秦教授の指摘を受けて、差し換えが行われたものである。

 ほかにも、南京事件当時には存在しなかった型式の日本軍戦車が家を焼ている写真、真冬の南京で半袖姿の兵士達が写っている写真(プロパガンダ映画の一シーンと判明)など、様々なテクニックのプロパガンダ写真が収録されている。


■5.日本大使の反論■

 こうした本に対して、日本政府はどのような態度をとったか。

__________
 斉藤邦彦駐米大使は...中国系米国人アイリス・チャン女史の著書「レイプ・オブ・ナンキン」について、「日本政府が謝っていないとか、事実を国民から隠そうとしているという主張は明らかに事実に反している」と述べ、不快感を示した。

 斉藤大使は、その理由として、〈1〉日中共同声明で「反省」を示したうえ、その後もたびたび謝罪している〈2〉ほとんどの日本の教科書が南京事件を取り上げている――と指摘した。[3]
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 つまり、南京事件の記述そのものに関する批判ではなく、「日本政府が謝っていない、とか、事実を国民から隠そうとしている」という主張に対して抗議しているのである。これでは事件に関するチャンの主張は間接的に認めたことになってしまう。

 しかし、こうした逃げ腰の表明に対しても、今度は中国大使館まで口を出してくる。

__________
 ワシントンの中国大使館スポークスマンは(5月)8日、「南京大虐殺は日本軍国主義が中国を侵略した際に犯した残虐な罪の一つ。日本がその事実を否定したり、抹殺することはできない」との談話を発表した。[4]
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■6. 影に潜む高等戦術■

 アイリス・チャンは、中国系アメリカ人によるいくつかの全米規模の団体から後援を受けており、さらにそれらは、中国政府から資金提供を受けていると確認されている。[5]

 日本が南京で30万人を虐殺したのなら、原爆投下はそうした犯罪国家への罰なのだ、という免罪符をアメリカ人は手に入れることができる。そういうアメリカの態度に日本人は改めて不快感を抱くだろう。こうして南京事件は、現在の日米同盟に対する楔となるのである。同時に日本には犯罪を償う賠償金として経済援助を中国に払い続けさせることができる。

 まるで、三国志の時代のような中国的高等戦術である。謝罪問題の影には、こうした国際的な外交戦術が潜んでいることを我々はまず認識すべきである。

 もうひとつ、文化的な問題も絡んでいる。事実かどうか、いっさい気にせずに罵詈雑言を浴びせかけるのが、中国式喧嘩のようだ。それに対して、日本人は事実を曖昧にして、とにかく謝ってしまって、水に流そうとする。

 両者は対照的だが、事実を無視している点では同じだ。我々日本人ももっと、事実と論理をもって、いいがかりには断じて反論するという姿勢を学ばなければ、到底、権謀術数うずまく国際政治の世界ではやっていけないであろう。

[参考]
1. The Rape of Nanking, Iris Chang, Basic Books, 1997
2. 現代史の争点、秦郁彦、文芸春秋、H10.5
3. 読売新聞、東京朝刊、1998.04.30、2頁
4. 読売新聞、東京朝刊、1998.05.10、5頁
5. 「ザ・レイプ・オブ・南京」中国の陰謀を見た、
  浜田和幸、文芸春秋、H10.9


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★JOG(28) 平気でうそをつく人々
「日本刀で100人斬り」というでっち上げが、戦前は戦意高揚のため、戦後は反日報道のため使われた。変わらぬマスコミの事実無視体質。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h10_1/jog028.html


★JOG(15) 先入観を打破する定量的検証を
 30万人虐殺のデータの信頼性に中学生が挑戦。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h9/jog015.htm


■ おたより: Angelixさん より

 私が常連として投稿しているNC4にある中国系米国人のHPを論破しようと言う事でそこへ行った事がありました. 私は Iris Chang の言ったような Rape of Nanking は出鱈目だ以上の論陣を張ったりはしませんでしたが,他の論客が張って論争していました.

  そうして一度掲示板が変わり,会員登録形式になり,最後には我々は排除されました.中国系論客の名誉の為に一言付け加えますと,一人,当初から我々に紳士的に接してくれた論客がこれに抗議してくれました.

現在,藤岡信勝 東大教授や東中野修道 亜細亜大学教授らの手で Iris Chang への反論集会が開かれたりしておりますが,この様な出鱈目が罷り通らないようになる日が一刻も早く来るよう願います.


■ おたより: はたえさんより

 私は現在中国の北京に駐在しております。また、以前南京にて留学をしていたこともあり、先週号は非常に感慨深いものでした。

 この号の中に記述されている"Zhuizi"は"錐子"という漢字の中国語読みではないかと思います。中国での意味は、先のとがった工具ということです。(中略)

 中国は、社会人になっても時々、過去の歴史に関する試験をします。たまたま私は、見てしまったのですが、中国の南京を侵略したのは、どこの国か?などのような質問が多かったと思います。

 核実験もまだする国です。ビジネスをしていても非常に自己中心的な考え方で常に自分を正当化する、いわゆる中華思想が非常に多い国です。

 すぐに謝る日本、まったく謝らない中国、この対照的な国の間でそのギャップを少しでも埋めてがんばっている日本人は非常に多いのです。これも中国への貢献のひとつではないでしょうか? みんなで本当の意味での日中友好にしたいものです。


■編集長より

 今後とも両国の認識のギャップを埋めて、真の日中友好の基盤作りをお願いいたします。


以上

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